後遺障害の等級認定をめぐって

後遺障害の等級認定について

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むちうち症

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交通事故被害でよくあるのがむちうち症です。追突事故における典型的な後遺症です。むちうち症は後遺障害として認められるのでしょうか。

むちうち症の扱いが難しいのは自覚症状でしか証明できない場合も多いという点にあります。それに、被害者の心理状態も症状に強く影響します。裁判でむちうち症が否定されたり、被害者側の過失が認められ過失相殺がなされたりする事例は多いです。

むちうち症も後遺障害として認められます。一般的なむちうち症は、第12級の「局部に頑固な神経症状を残すもの」あるいは第14級の「局部に神経症状を残すもの」に該当することになります。逸失利益を認める期間は、第12級で3~5年、第14級で2~3年となっており、他の後遺障害よりもかなり短い扱いです。第14級であれば、自覚症状だけで該当する場合もありますが、第12級では、MRIやレントゲン画像などで症状が認識できる場合でしか該当することはありません。

第7級や第9級に認定されるむちうち症もあります。この場合ももちろん自覚的な症状だけでは認められません。他覚症状が認められるとともに事故の衝撃がある程度大きくなくてはいけません。

自覚症状だけのむちうち症には後遺障害に認められるものと認められないものがあります。第14級に該当となれば後遺障害に対する結構な額の慰謝料が手に入ります。後遺障害に該当するかしないかは死活問題と言えます。交通事故被害を専門とする弁護士はむちうち症について熟知しているので、ただ症状を医者に訴えるだけでなく、弁護士を頼り戦略的に主張していくことが得策と言えます。

参照ページ<後遺障害(後遺症)とは | 交通事故の慰謝料・弁護士相談ならアディーレ法律事務所

大まかな流れ

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後遺障害の認定は、症状固定を判断するところから始まります。症状固定とは治療をこれ以上続けても症状が良化しない状態を言います。症状固定の状態で残存する症状が後遺症であり、後遺障害の認定の対象となります。

後遺障害が残っているという場合に、医師に診断書を書いてもらいます。事前認定ではこれでやることはほぼ終了ですが、被害者請求の場合は他の医者に行ったりして資料を作成します。どのような資料を収集すれば等級が認められやすいかは一般個人では分からないので弁護士の協力を仰ぎます。

損保料率機構により等級の認定がなされますが、後遺障害非該当とされる場合もありますし、希望の等級でない場合もあります。その場合には異議申し立てをすることができます。損保料率機構に直接異議申し立てできますし、さらに、自賠責保険・共済紛争処理機構という機関に調停を申し立てることができます。

しかし、認定結果が覆ることは少ないです。認定が変わるケースは異議申し立てがなされたもののうち、4%から6%といったところでしょう。事前認定のまま認定申請を行い、不服なので被害者請求で異議申し立てを行うパターンが多いです。一度下された判断が覆る可能性は低いので、最初から被害者請求にしておいたほうがいいでしょう。

事前認定と被害者請求

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後遺障害の認定の請求には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。事前認定では請求を加害者側の損害保険会社が行い、被害者請求では被害者本人が加害者の加入している自賠責保険会社に請求します。実際に後遺障害の等級認定を審査する機関は、第三者機関である損害保険料率算出機構(損保料率機構)です。審査は書面審査です。では、二つの手続の何が違うのでしょう。

二つの手続の最大の違いは、判断資料にあります。事前認定では、損害保険会社定型の医師の診断書・レントゲン画像など最低限の資料しか提出されません。加害者側の損害保険会社はある意味敵側ですから、当然のことだと言えます。他方、被害者請求では、被害者自身が資料を集め提出できるので医師の診断書・レントゲン画像の他に、他の医師の意見書やストレスレントゲン撮影などを加えることができるのです。ストレスレントゲン画像は膝のぐらつきなどを証明することができる資料です。

以上のように判断資料が増えるので、後遺障害の認定には被害者請求が有利です。しかし、現実には事前認定を行う方が多いです。普通の方は被害者請求を知らないですし、後遺障害の認定がどのように行われるか分かってないからです。ほとんどの人が交通事故に遭うのが初めてですので、加害者側の損害保険会社の言いなりになってしますのです。

交通事故被害に遭われたら、まずはともあれ弁護士に相談した方がいいと思います。そして、少しでも納得できる認定が欲しければ被害者請求をするべきです。

後遺症と後遺障害

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交通事故被害における後遺症と後遺障害の違いって分かりますか。同じように思えますが、厳密には違う概念です。一般的に後遺症とは、治療を終えてもなお残る症状のことです。首のちょっとした痛みや腰痛などです。後遺障害とは後遺症のうち労働能力の喪失を含むものです。後遺症のほうが広い概念で、後遺障害を包含します。後遺症を後遺障害の意味で用いている方もいらっしゃいますが、法的には違う意味です。

後遺症と後遺障害の区別は重要です。交通事故被害においては多様な損害が生じ、項目を立てて損害を賠償していくことになります。まずは、交通事故が直接的に引き起こす損害賠償の項目があります。たとえば、傷害の治療費、慰謝料、休業損害などです。他方で、交通事故の後遺障害に対して支払われるものがあります。後遺障害により収入が減ったことによる逸失利益、後遺障害に対する慰謝料です。単なる後遺症については、逸失利益や慰謝料が認められないのが原則です。単なる後遺症にすぎないのか後遺障害に該当するのかは金銭が支払われるか否かの分水嶺なのです。

後遺障害は、後遺障害等級表により把握されます。交通事故被害における後遺障害のあり方はあまりにも多様なので症状・慰謝料・労働能力の喪失をある程度定型化して不公平感を少なくしているのです。後遺障害等級表は第1級から第14級まで階層が付けられており、それぞれに自賠責保険における慰謝料額、労働能力喪失率が設定されています。労働能力喪失率は逸失利益を計算する基礎の数字で、パーセンテージで表されます。この等級は、任意保険料支払いの基準にもなります。ですので、どの等級に認定されるかについてよく紛争が生じます。

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